いなか伝承社(地域活性化支援)のブログ

和歌山県内各所の農山漁村のファンを作り、土地も含めた「慣習や風俗、信仰、伝説、技術や知識」の次世代への伝承を目的とする団体のブログです。  https://tsuku2.jp/inakadss 

【イベント案内。本来の七草粥を実践します。2/22@高野町】

春を待っている雪の下の若草を摘んで、邪気を祓い、一年の無事を祈ります。

#七草 #七草粥 #春の七草 #旧暦 #日本文化 #節句 #若草摘み #地域資源 #摘み草 #摘み菜 #薬膳

ーーーーーーイベント詳細ーーーーーーー

 「摘むところから! 旧暦『七草粥』楽しもう!」

本来の七草粥とは旧暦の一月七日に、春を前にして芽生えた若草を摘み、邪気を祓い、一年の無事を祈るために七草粥を食べる行事でした。

日本文化の季節を愛でる・楽しむ・味わう、という観点からすると、新暦の1/7に七草粥を頂くのは単に旧暦の日付を新暦に移行しただけで、季節感を無視した暦の上だけの行事になってしまっています。

 そこで今回、旧暦一月七日に、身近にある若草を摘んで頂く「七草粥」体験を行います。

※現地の生態系と積雪の関係で、いわゆる春の七草である、芹(せり)、薺(なずな)、御形(ごぎょう)、繁縷(はこべら)、仏の座(ほとけのざ)、菘(すずな)、蘿蔔(すずしろ)が全部揃うかどうかは分かりません。ただ、他にも若草を摘むので七草粥が六草粥になったり十草粥になると思います。

  

日時:2/22(木)  11時~14時。早く終わる可能性もアリ。

場所:いなか伝承社 事務所 (和歌山県伊都郡高野町東富貴519-2)  

内容:現地周辺で山村を散策しながら若草を摘んで、七草粥を作って頂く。

参加費:1000円

定員:5名

アクセス:車かコミュニティバスでお越し下さい。ただし、

     積雪や路面凍結が見込まれるので車はスタッドレスタイヤかチェーン携行必須。

     コミュニティバスは、平日4便しか運行がないため、間に合うのは以下の便のみです。

行き JR隅田駅前8:28発⇒中富貴バス停9:14着。降りて徒歩数分

帰り 中富貴バス停15:56発⇒JR隅田駅前16:42着。 片道600円

準備物:長靴、軍手、暖かく汚れても良い格好。七草粥で足らなそうな方は小腹を満たすもの

※申し訳ありませんが現場の台所は狭いのでたいした調理はできません。

※要事前申込

※現地は標高が高く、かなり寒いので着重ねしてお越し下さい。

 

 【お申込・お問合せ】 

 inakadss@gmail.com

※携帯アドレスだとお申込受付メールや連絡事項の返信が迷惑メール扱いされる可能性が多かったので、できれば普段見られるパソコンアドレスで送って頂けると助かります。

 #七草 #七草粥 #春の七草 #旧暦 #日本文化 #節句 #若草摘み #地域資源 #摘み草 #摘み菜 #薬膳

 

フェイスブックイベントページ↓

摘むところから。旧暦『七草粥』楽しもう!

https://www.facebook.com/events/1467394720054282/

 

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#七草 #七草粥 #春の七草 #旧暦 #日本文化 #節句 #若草摘み #地域資源 #摘み草 #摘み菜 #薬膳

【明けましておめでとうございます】

 

昨年は様々な方にご協力いただいて、クローズドのイベントを含めて40回程度の体験プログラムや説明会などを開催することができました。ありがとうございます。
本年もいなかの現場で走り回る予定ですので、皆さま宜しくお願いいたします<(_ _)>。

今年の大テーマ(予定)
・これまでに無い体験プログラム作りと提供
・移住希望者用の空き家の確保
・ユニークなご当地商品開発を何点か
・「泊まってさわれる」民俗資料館な宿の運営
・ちびっこがガッツリ自然と触れ合えるイベント企画

を考えております。

※冬場は訪問者もおらず寂しいのですが、事務所に仲間が増えましたv

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【山村の正月飾り調査】

古道を片道2時間半てくてく歩いて山越えして、お隣の山奥の集落の正月飾りを調査してきました~。

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今の時期だけの飾り付けから地域性を掘り起こします。

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写真を撮らせて頂いたこちらでは、玄関飾りに、サカキ+松+ツツジの枝で作った餅ならし+しめ縄、そして下部に和紙で包んだお供え物セット(小餅2つ+小ミカン+葉付き柑子“コウジ”+串柿)を飾るそうです。今は写真で見ると上に乗っかりそうにない柑橘2種ですが、かつては小餅ももっと大きくて、ミカンと柑子の両方を上に乗せることが出来たらしい。

さらに、床の間を見せて頂いたら興味深いものを発見!

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三宝の上にワンカップ清酒がありますが、本番ではその横(写真の青い部分)に現金を封筒に入れて飾るようです。現金を飾る風習は初めて聞きましたが、こちらではずっと行われているようです。

お話を伺わせていただいた88歳のおばあちゃんにお正月の一番の楽しみは何でしたか?と聞いたら、
「正月3が日だけは、白飯と白餅が食べられた。それが一番のご馳走だったよ」とのこと。
この地域では山の中の急な斜面に家も畑もあり、お米はほとんど作れずいつも麦飯ばかり、餅もキビ餅・アワ餅のような雑穀餅やヨモギ餅のようなかさ増ししたお餅(方言では「ヤクザな餅」)ばかりで、白いご飯、白いお餅が大変貴重で正月しか食べる機会がなかったようです。

他にも、正月過ぎて7日まで包丁を使うことを禁止されていたそうで、調理が大変だったみたい。昔はどこでも大家族ということもあり、日持ちするおせち料理(といっても山の中の集落なので地味です)をたーーくさん作って、大晦日のうちに下準備しておいたそう。

今と昔を感じつつ、他のお宅も聞き取りさせてもらって、また2時間歩いて帰宅しました。

#お正月 #正月飾り #風習 #縁起物 #地域性 #地域おこし協力隊

※集落内でも家庭によって飾りつけが異なります。

 

【薬酒の高野版「忍冬酒」仕込みました】

徳川家康が愛した薬酒で、紀州藩御用達のブランド銘酒でもあった(けれど途絶えてしまった)「忍冬酒」の高野版を作ってみました。

1.メイン材料は、忍冬:スイカズラ
スイカズラ生つる 「忍冬」解熱、解毒、美肌、神経痛、疼痛

以下、副材料です。カッコ内は対応する生薬名と効能。
2.南天生実 「南天実」咳止め、視力回復、解毒
3.南天生葉 「南天竹葉」咳止め、視力回復、解毒
4.マタタビ乾燥葉 「天木蔓」強心、利尿、冷え性、強壮、美容
5.マタタビ乾燥実 「天木実」強心、利尿、冷え性、強壮、美容
6.シシウド乾燥茎 根は「独活」鎮痛、鎮静、神経痛、冷え性、抗酸化
7.シシウド乾燥種子 根は「独活」鎮痛、鎮静、神経痛、冷え性、抗酸化
8.ビワ生葉 「枇杷葉」咳止め、去痰、利尿、健胃
9.カリン生 「木瓜」咳止め、利尿、鎮静、美容、疲労回復
10.クロモジ半乾燥幹や枝 「烏樟」鎮静、清涼剤、去痰
11.ノイバラ生実 「営実」利尿、下剤、強壮、美容
12.クマザサ生葉 「隈笹」喘息、去痰、潰瘍、免疫
13.赤松生葉 「松葉」低血圧、冷え性、食欲不振、血液浄化、清涼剤
14.氷砂糖

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全ての植物素材は高野山のふもとの自然の中を歩いて採集したものです。
それらの素材からアルコールで抽出。抽出法は簡便なホワイトリカーで漬け込むものと、昔のやり方で漬け込むものと2種類で抽出。
飲めるのは3ヶ月後~。

どんなものが出来上がるのか楽しみです!

#忍冬酒 #忍冬 #スイカズラ #薬酒 #薬用酒 #地域資源活用 #生薬 #国産 #和歌山 #高野町

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※写真のボトルは、和歌山の酒造メーカー「吉村秀雄商店」さんがアレンジして再現された忍冬酒です。これは飲みやすく、美味しいので忍冬酒が気になる方は飲んでみて下さい。

【手づくりキイチゴ大福】

「イチゴが無ければキイチゴを食べればいいじゃない~」。

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ということで、山奥に住んでいるのでイチゴを買いに行けない代わりに、山の恵みのキイチゴ(正式名:フユイチゴ)で「キイチゴ大福」を作ってみました。
 
キイチゴ摘んで、この間イベントで作った白餅と余ったユズ餅用の白餡で包んだら、ハイ完成!

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もう一手間かけて、山からクロモジを採ってきて、和菓子用の手作り高級楊枝も製作。クロモジは良い香り~。

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キイチゴの粒が口の中で弾けて、甘酸っぱくて大変おいしゅうございました。
 
#木イチゴ #フユイチゴ #イチゴ大福 #キイチゴ大福 #和菓子 #手作り #山奥暮らし #いなか暮らし #クロモジ #黒文字 #楊枝 #地域資源活用

【グラウンドに生えているワカメ食べてみた】

子どもの頃から気にはなっていた、グラウンドによく居るプニプニしてワカメみたいなアイツを食べてみました。

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正式名称「石海月」。漢字で書くと風情がありますが、カタカナにすると「イシクラゲ」。
 
山奥に住んでいるので冬場の貴重な?栄養源になるのか実験してみた。
綺麗な(人もペットも車も通らない)場所から採集して、水洗いして、お味噌汁と酢の物で実食。

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お湯の中に落としてもワカメのように緑色にはならず、茶色いまま・・ちょっと色は食欲をそそらない・・・。
匂いは無臭。食感はアオサ。
個性が無い分、料理次第では何にでも合いそうな食材でした!
 
ただ、丁寧に水洗いしてもヒダヒダの中に砂を噛んでいて、葉?を広げて一枚一枚かなり細かなところまで洗わないとダメみたい。そこらへんが面倒な食材。
来年の野食イベントで使えるかも。
 
<効能>
タンパク質とビタミンCを含み、中国、日本、ジャワ島で食用とされているようです。
抗酸化作用、コレステロール上昇抑制作用、 細菌感染予防作用などが報告されており、 抗酸化能が高くスーパーフードとして人気のある スピルリナよりもイシクラゲの抗酸化能は高いらしい。現在研究が進んでいる模様。
奥さん、かなり美容に良いらしいですよ!
 
#イシクラゲ #グラウンドにいるヤツ #食材 #地域資源 #身近な生き物 #食べられるもの #抗酸化作用

【地域おこし活動を続けられる原動力は、やっぱり人】

団体を立ち上げた理由は書くと長くなるので省きますが、儲かることもなく、地味な裏方の作業も多く、人の集まりやすい都市部に事務所やイベント現場を構えることなくわざわざ田舎の現場から地域おこしを仕掛け続けている理由について時々質問されますが、そのエネルギー源の一つは「人」です。

当団体代表の田中は、高知県に「お父さん」と「お母さん」がたくさん居ます。
2012年に実践的な地域づくりを学びに高知県の四万十で仕事をしていた時につながり、お世話になり、和歌山に戻った今でも応援してくれている「お父さん」と「お母さん」です。

先日3年ぶりに近況報告と顔見せを兼ねて会いに行ってきました。
体を壊された方もいて、体調が万全とはいえないけれど、お父さんとお母さんの笑顔がまた見られて良かった。来て良かった。
安芸市スープカレーのお店と美味しいシフォンケーキを出しているお母さん。目がいつも超キラキラして色々地域を盛り上げようと実践されている。会う度に「嫁はまだか?」と心配してくれる。

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中土佐町で高知一のカツオ(一本釣り)を売っている魚屋さんのお母さんとお店のスタッフのみんな。食事所も併設していて、観光地で有名なひろめ市場なんかよりも新鮮で美味しくて地の物が食べられるお店。行く度に「あれも食えーこれも食えー」と魚を食べさせてくれる。

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四万十町で野鍛冶職人をしているお父さん。身近な生活用の刃物を作る「野鍛冶」職人だけれどどんな刃物でも作れて、3メートルの大太刀からミニチュアサイズの刃物まで作れるスペシャリスト。刃物を語りだしたら止まらない。

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四万十町で、当時住んで管理していた廃校小学校の近所でしょっちゅう話をしに行っていたお父さんとお母さんズ。何でも教えてくれて、色々山の遊びに連れて行ってくれて、地元の人とつないでくれて、いつ行ってもプチ飲み会が開かれていて、高知の郷土料理をたくさん食べさせてくれました。

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梼原町で、猟師をしているお父さん。猟犬を扱い、猟師小屋も自分で建てて観察・研究熱心な凄腕猟師だけれど、実は動物好きでアマチュアカメラマンで孫大好きなワイルドおじいちゃん。

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どのお父さんもお母さんも、高知県の県民性なのか、みーんな「豪快」「快活」「気のいい性格」。 いやな事があっても、後ろを振り返ることなく前を向いて生活しているのが表情や態度にすごく表れていて、話をするとコッチも元気になっちゃう。やる気がどんどん湧いてくる。
そんなみんなが和歌山での地域おこしの活動を応援してくれている。
「やってみたらいい」「やってみれば何とかなる」「がんばれ。しんどくなったら高知に来たらいい」。
振り向いたらそこに受け入れてくれる場所がある。だから和歌山でも頑張れる。
(注:今は和歌山でも応援してくれている方々がおり、一緒に活動して頂いています)

 

最後はやっぱり、人のチカラ。
若い人が前線で自由に動き、年配者がそれを心から見守りつつ応援している環境が作れたら最強のチームだと思います。

#いなか伝承社 #地域づくり #地域活性化 #活動 #継続 #人と人 #高知県