いなか伝承社(地域活性化支援)のブログ

和歌山県内各所の農山漁村のファンを作り、土地も含めた「慣習や風俗、信仰、伝説、技術や知識」の次世代への伝承を目的とする団体のブログです。

長野 クラフトフェアまつもと他 振り返り


一言で言うと、「日本人の美意識の変遷を感じたイベント」でした。

今回のクラフトフェアの舞台になっている長野県松本市は「民藝」と「クラフト」の両方が有名な街で、有名な民藝館もあれば、クラフトフェアもあります。両方の多くの作品をを一度に見れる貴重な街なのです。

※民藝とは
民藝とは民衆が日々用いる工藝品の略語です。普通の品物、すなわち日常の生活と切り離せないものを指すのです。
したがって珍らしいものではなく、たくさん作られるもの、誰もの目に触れるもの、安く買えるもの、何処どこにでもあるもの、それが民藝品なのです。
(ただし、かつての品物に限る)
民藝≠民芸品(民芸品は民藝に似せて最近作られた物)
民藝≠工芸品(工芸品は美の要素が強く芸術品的なもの)。民藝の美しさは「用の美」とも言われ、高い実用性とともに機能的な美しさも持ち合わせています
掲載写真の麦わらで作った虫籠や包装用紙などが相当します。

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※一方、クラフトとは
手づくりの工芸品。また,手づくりの感じをもたせた手工業による製品:三省堂 大辞林

そこで、日本一のクラフトフェアまつもと、には上記の「クラフト」という概念を鵜呑みにして、民藝的要素を持った商品がたくさん出品されていると期待して自分の価値観のスキルUP目的も兼ねて現場に行ったのですが、かなり思っていたものと違う商品が並んでいました。

木工、金属加工、焼き物、フェルト商品、素材販売などなどの非常にたくさんのアイテムが並んでいたのは圧巻でしたが、それぞれ一つ一つを見てみると、「シンプルなもの」 or「カワイイもの」が多数を占めていて、民藝的な商品がほとんどありませんでした。

「シンプル」なものは確かに素朴で手作り感がするのですが、「用の美」とはまた違った感じがあります。
女性をターゲットにした「カワイイもの」は確かにデザイン的にはカワイイのですが、実用性は高くなさそうです

今回私は長年愛用できるような道具(使われてこそ道具!)を見たかったのですが、「『道具風』の装飾品・器・カトラリー」のようなものばかりで道具にはほとんど出会えませんでした。
たった1店舗だけ、炉を持ち込んでスペイン式鍛冶を実演している女性だけの団体があり、そこはとても素敵でしたが。

初めの方にも書きましたが、民藝とはかつて日常の生活で使われていた品です。
当時は身近にとても良い教科書になる品・道具があり、子供の頃からそれに親しみ、使い、壊れたら修理して、時には自分で作って大切に扱ってきました。
その行為によって培われてきた昔の時代の日本人の美意識と、今の多くの若い人の美意識が、同じ「手作り・手仕事」でも異なってきていると、このイベントを通じて強く感じました。

私自身としては自身の活動舞台である「いなか伝承社」で、このような美意識のような目に見えない部分をどう次の世代に伝えていくか、も考えなければいけないなぁと改めて感じました。 
そのためには、農山漁村・中山間地の年配の方々が居られるうちに、そこに眠る品々がこれ以上散逸しないうちに、街の若者と継続的に交流させ続けて五感で感じてもらえる仕組みを早急に作ろう・・・。

---------------今日のは特に固い内容で面白さもありませんが、読んで頂いてありがとうございます---------------