いなか伝承社(地域活性化支援)のブログ

和歌山県内各所の農山漁村のファンを作り、土地も含めた「慣習や風俗、信仰、伝説、技術や知識」の次世代への伝承を目的とする団体のブログです。  https://tsuku2.jp/inakadss 

「森のようちえん」現場見学 同行者募集のご案内(和歌山県の人向け)

いつも変わったものを食べているなぁ、と思っているそこのアナタ!

「いなか伝承社」代表の私、田中は変わったものを食べているだけではございません。

地域資源活用の一つの手段として、「いなか」にある食材を探求しています。

そして、その食材を生み出すのは「いなか」にある自然です。

 

今回は、その「自然」を地域資源の一つとして捉えて、それを活用する方法として私が考えている「森のようちえん」についてのお話です。

 

森のようちえんを一言で言うと、『地域の自然環境を生かした北欧発の幼児教育』、です。

ドイツやスウェーデンの教育学的文献では、小学校入学前の状態で、通常の保育園・幼稚園で育った子供よりも、森のようちえんで育った幼児の方がいくつもの点でより能力的に優れていた、というデータもあるようです(何冊か本を読みましたが、詳細は忘れました・・・)。

※より具体的に森のようちえんについて知りたい方は最下部の説明をご覧ください(長くて申し訳ないですが)

 

和歌山には自然がたくさんあります。

ただ触れる、見るだけならば県内のどこでも可能です。

でも、自然を学ぶ・知る・自然と人間の関わりを学ぶ、となると学べる所は限られてきます。

そんな中で、

・小中高の子供たちは県内の自然学校、自然教室というイベント等を通じて学ぶことができます。

・大学生以上・社会人については学べるところは非常に限られていたり、「自然」は学べるが「自然と人との関わり」は学べなかったりします。この部分をいなか伝承社でカバーしようと考えています。

・そして未就学児については、組織や団体を通じて自然+自然と人間の関わりを年中学べるところは和歌山にほとんど無いと思います。

 

いなかに住んでいるのに、未就学児の時期は脳の成長に非常に影響を与える時期なのに、身近な自然を学べずに過ごしているのは子供にとっても、和歌山県にとっても非常にもったいない!!

そう思って、和歌山での「森のようちえん」の普及もゆっくりとですが行っていく予定です。

 

まずは「森のようちえん」の現場を興味のある方々で見に行こうと思います。

詳細は先方からの連絡待ちなので、以下の情報以外はまだお伝えはできないのですが、人数制限があるので先に募集だけしておきます。参加希望者の方には後日詳細を連絡させて頂きます。

 

―日時:9/9 火曜

―場所:神戸市・西宮市周辺

 

―内容:野外調理の日。

野外調理は、子どもたちが持ち寄ったお米と野菜で、自分たちの力で、ごはんとお味噌汁を作ります。

お昼はそれだけの質素なものです。

薪集めから、火付けから、野菜切り、飯盒でのごはん焚き、汁焚き、味噌での調味、、、みんな子どもたちがします。

「奉仕」の日とのとらえ方もあり、「遊び」の要素は少ないですが、普段の森遊びで培ったことを活かし、子どもたちが頑張っている姿を見ることができると思います。

  また、保育の方向性は変わらないので、何か“事件”が起きれば、保育の様子を見ることもできると思います。

 

―参加人数:先着4名。ただし、先方団体は全国規模で見学者を同時募集しているため、ある程度待ってもらう予定ではありますが、申込時期によっては4名以内でも参加できない場合があることをご了承ください。7/19〆切とします。フェイスブックでの募集を優先しますが、集まらない場合は他の媒体でも募集をかけます。

https://www.facebook.com/events/721436841254672/?context=create&source=49#

 

 

―見学料:1000円(見学料のみ)。今回はコーディネート料は頂きません。

―対象者

 ・森のようちえんについて知りたい方

 ・野外教育や環境保育を検討している方

 ・森や自然の多い公園の活用策を検討している方

 ・森のようちえんのような仕組みを通じて地域活性化を検討している方

  などになるのかなぁと思います。

 

※今のところ現地集合、現地解散で検討中です。

 

 f:id:inakadss:20140709214103j:plain

***************************************

※「森のようちえん」、とは

森のようちえんとは、1950年代中頃にデンマークで「子供たちに幼い頃から自然と触れ合う機会を与え、自然の中でのびのびと遊ばせたい」という願いを持つ一人の母親が、自分の子供たちを連れて毎日森に出かけたのが始まりといわれています。

その後、北欧を中心に日本でも10年前頃から少しずつ広がってきました。

日本の‘森のようちえん’は、フィールド、園舎の有無、活動の頻度、活動主体などが様々で、幼児の野外活動を総称して‘森のようちえん’といわれているようです。

 

森のようちえんと一般的な‘施設型’の幼稚園(保育園)との一番の違いのひとつは、とにかく自然の中で過ごす事を重視する点です。おとなが管理・設定した空間ではなく、自然というある意味なんでもありの(もちろん危険も含む)野外空間で毎日過ごす事は、日々目覚しい発達をしているこどもたちの心と体の成長に様々な刺激を与えます。また、このような野外空間に1年を通して通うことで、日本特有の四季の移り変わりの美しさや、暑さ寒さ、雨や雪といった気象現象にも負けないたくましい心と体がはぐくまれます。私たちがフィールドとして重視している森という空間には、木や草や花、キノコ、動物や昆虫など様々な生き物たちに出会える場所でもあります。

このように、野外で一年中過ごすことでこどもたちの体と、幼児期に特に発達するといわれている五感を、自然という美しくも厳しい環境の中で鍛えていく事ができ、自然の中には人間以外にも様々ないのちがあるという事を感覚としてつかんでいきます。

 

また、森のようちえんのもう一つの特徴は、こどもの自主性を尊重し‘見守る保育’を徹底して行う事です。おとなはともすると、こどもかわいさからついつい‘転ばぬ先の杖’を与えてしまいがちです。しかし、幼児期という心と体が未熟なこの時期に、小さな失敗を含むたくさんの経験をしておく事は、今後の成長にとって実はとても大切なことなのではないでしょうか。森のようちえんにおけるおとなの役割は、ただただこどもの‘共感者’として、一緒に森をおさんぽし、こども自らがつかみ取り経験していく様子をそっとにこにこと見守っている存在です。しかし、その事がこどもたちに‘自分は見守れている’という安心感(=他者への信頼感)’と、‘自分の力で何でもできるんだ’という自信(あるいは‘自分はここまでしかできない’という自分の限界を知る)と、‘仲間同士助け合わなくてはいけない’という気持ちを育んでいきます。

そして何より、こどもたちが次々と自分達で遊びを作り出し、問題を解決していく姿を見守ることで、私たちおとな(保育者・保護者)もこどもの持つ能力の大きさを知り、こどもを信頼し任せることができ、一人一人が様々な個性を発揮しながらキラキラと成長していく姿にたくさんの感動をもらっています。(森のようちえんまるたんぼうHPより引用)