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いなか伝承社(地域活性化支援)のブログ

和歌山県内各所の農山漁村のファンを作り、土地も含めた「慣習や風俗、信仰、伝説、技術や知識」の次世代への伝承を目的とする団体のブログです。

【緊急事態:たくさんの歴史が失われようとしています(橋本市)】

別件で使う民俗資料の調査に、初めて和歌山県橋本市にある「門前歴史道具館」に行ってきました。

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ここは、旧隅田村役場跡を利用して、地域の歴史的な道具を集めて展示している民間の資料館で、淡水漁業の漁具、かつての大工・左官道具、かつての農具、生活用品などが所狭しと丁寧に保存されて並べられていて、触れることもでき、地域の歴史について「生きた情報」を学ぶことができる大変すばらしい資料館です。
はっきり言って、見るだけ、ただ並べてあるだけ、使わせてもらえず、学芸員は適当な知識しか持たず、どんどん痛んで壊れているそこらへんの公立の郷土資料館とは全然違います!


そこで、非常に残念な話を聞いてしまいました。
この資料館は、土地と建物が橋本市の持ち物、建物が地元商店街の管理で、これまでずっと商店街が管理してきたそうですが、市役所がこの建物を壊して更地にして売却する予定が近々あるそうです。
それに伴って、これらの多数の橋本市の文化的歴史的財産が譲渡・あるいは処分されて無くなってしまうようです。
理由は、橋本市の財政上の問題ということでしたが、建物を壊して売って、果たしてどれだけの金額になるというのでしょうか?
この建物自体も旧隅田村役場として80年以上使われてきた歴史があり、学童保育や集会所としての機能も併設し、大切に思う地元住民が反対している中、ちっぽけな目先のお金のために壊して、文化を消滅させる責任を市役所はとるつもりがあるのでしょうか?

 

地域づくりや観光振興の視点においては、その土地の「歴史=ストーリー性」が非常に重要です。
そこにストーリーが残っているからこそ、他の周辺地域と差別化して特徴を見出すことができます。
そこにストーリーが残っているからこそ、それをイベント化したり、体験プログラム化したりして、地域の外から人に来てもらうことができます。
道具はそのストーリーを知らない人にも、子どもたちにも非常に視覚的に理解しやすくしてくれるモノなんです。
道具や民具はただの過去の遺産ではないのです。
今の時代には、地域の未来につながる先祖が残してくれた大切な遺産なんです。
それを無くしてしまうなんて有りえないです!!


ココは、当初は個人の方が捨てられていっていた道具をコツコツを集めて展示を始めた場所。
その本人の74歳のおじいちゃんから「この道具館を残したい。でも自分では道具を集めて保存するだけで精一杯だった。なんとかしたい」と頼まれました。
なんとか丸ごと残していきたい。


どういう風にしたら橋本市が納得するのかは分かりません。
ただ、地域の未来に全然貢献しない詰め込んだだけの資料館ばかりの中で、この「門前歴史道具館」は本当に貴重な資料館です。道具を実際に使っていた地元の方が解説してくれて、今ならまだ収蔵している品物を実際に使い、体験することも不可能ではない状況が残っているのです。
もったいなすぎます。
建物を残すために、道具を残すために、隅田の歴史を・橋本の歴史を、紀ノ川沿いの文化を残すために動きます。
まずは道具を使った体験プログラムの組み立てができないか早急に検討します。


「面白そう」、「協力したい」という方おられたらご連絡ください。