いなか伝承社(地域活性化支援)のブログ

和歌山県内各所の農山漁村のファンを作り、土地も含めた「慣習や風俗、信仰、伝説、技術や知識」の次世代への伝承を目的とする団体のブログです。

【梅ジュース・梅シロップと梅酵素ジュースの違い。要注意!】

 

昔ながらの梅ジュースよりも、「発酵」させた梅酵素ジュースの方が手間もかかっているし、何だか「発酵」ってついてるから健康にいいよね!、という文章を良く見るし、違いについての問合せもかなり受けます。
が、「発酵してるから梅酵素ジュースの方が良い」という認識は大きく間違っています。昔ながらの梅ジュース・梅シロップの方が衛生的・健康的にはるかに優れています。

 

写真に簡単な比較表を載せてみました。

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まずは材料の違いです。
あまり気づかないかもしれませんが、氷砂糖と白砂糖を使う違いは大きいです。
その理由は浸透圧。
梅にしろ、その他果実にしろ、エキス分はこの「浸透圧(果実の中と外の溶液中の分子濃度の差)」によって抽出されます。
そのまま容器に入れただけの梅では何もエキスは出てきませんが、砂糖と一緒に入れることで、砂糖が溶け、砂糖水となり、その砂糖水の濃度が濃くなるにつれて、梅の実と外の液体との分子濃度の差が大きくなり、実から外にエキスが出てきます。
 その濃度の差が大きいほどエキスが抽出できるのですが、かといって濃度の差が大きすぎるとすぐに果実の水分だけが出て行ってしまう現象になります。
すなわち、氷砂糖は表面積が小さくゆっくり溶けて行くので、ゆっくり砂糖の濃度が上がり、ゆっくりとエキスが抽出されていき、味と香りも十分に抽出されていきます。しかし、白砂糖では表面積が大きいのですぐに溶けていき、急激な砂糖濃度の上昇により、果実から水分ばかりが抽出され、味や香りの成分の乏しい抽出となります。 そのために、氷砂糖を使う梅ジュースは梅の成分が3か月間の間に存分に抽出され、美味しく、さらには健康ももたらしてくれますが、白砂糖を使い1週間~2週間くらいしか寝かさない梅酵素ジュースでは、せっかくの梅の成分が十分抽出されない状態のまま利用しているということになります。

 

さらに、よく見かけるのが「年齢と共に体内の酵素が減少するので、外から補いましょう」という文言です。
そもそも、外から酵素が入ってきても、酵素はタンパク質であり、人間の胃でただのアミノ酸として分解・消化されます。腸まで届きません。
そして、ヒトはヒトの生存の為の酵素を自分で作ります。植物は植物で自分の為の酵素を自ら作ります。なので、いわゆる「酵素ジュース」と言われている液体の酵素とやらが胃を通過できても、植物由来の酵素をそのままヒトは取り入れないし活用できません。
すなわち、自分の健康のために「足らない酵素を補う」という目的で酵素ジュースを飲むのであれば、それはそもそも目的から想定している効果まで全て間違いです。そんなことは科学的に有り得ません。

ついでに言うと、手には人にとって良い菌も悪い菌も住んでいます。酵素ジュース作りの場合は、その手を仕込み液中に突っ込んで毎日毎日混ぜる、そうなると、その常温の仕込み液中にはいろんな雑菌も住みつき、ヒトに有害な菌もどんどん増殖しているわけです。
それを健康のためにと毎日飲んでいる方がおられますが、それは本当に健康につながっていますか? 
その上、「混ぜた人専用のカラダにピッタリの酵素ジュースができる」と謳っていますが、そんな訳ありません。人間の皮膚にいる菌はヒトの皮膚上で生きていくことができる菌群であり、ヒトの体内にはまた別の種類の異なる菌群が住んでおりそもそも別物です。さらに、植物と砂糖の中で人の皮膚と同じように増殖できるわけもないし、宣伝文句はウソです。
それだったら80年の歴史のあるヤクルトを飲んだ方が明らかに有用菌ばかりな気がします。

 

さらに言うと、手作り酵素●●系の方々が信頼している本や資料の元になっているものは「酵素栄養学」という概念ですが、この概念はちゃんとした科学者からは既にエセ科学、インチキ科学として認識されています。代表の私自身も微生物学分子生物学、生化学、発酵学などを勉強していましたが、あまりにおかしいと思って書いています。
 たとえ、口コミで「効果があった」「効いた」としても、それはたぶん別の要因で効いたのだと思います。いわゆる酵素ジュースも酵素ウンヌンはエセですが、水溶性食物繊維はあると思うので、整腸効果や便秘にはある程度効いたのだろうと思います。

 

まとめ:梅のエキスを抽出する場合は、梅ジュースで充分美味しく、健康的です。

 

だまされている人が多く見られますが、手間とお金だけでなく、本当の美容と健康を失うことの無いようにお気を付け下さい。

 

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