高野町の職人が作る伝統工芸品「薄板」を和歌山市の飲食店で使って頂いています。
薄板とは、松の木を薄く削って乾燥させたもの(写真は乾燥させている風景。近くでみると壮観です。)
松は抗菌作用を持ち、板が水分を吸収するので食品の下敷きなどに使われており、あまり注目はされていませんが実は日本料理と共に存在してきた「縁の下の力持ち」なのです。
ただ、現在は材料となる松の木はマツクイムシ被害のため良い材の入手が難しい上に、時代の流れで多くがナイロン等に取って代わられて、日本全国で見ても薄板職人さんはほとんど居られず貴重な存在となってしまいました。
その職人さんが作った「薄板」を、色んなご縁を通して和歌山市の食堂ことぶき(旧ti.po)様のところで使って頂けることになりました。
写真は実際の料理で使われている様子です。魚料理の下敷きにお使い頂いていました。
薄板を敷くことで余分な水分を取り、松のほのかな香りがより料理を引き立ててくれるようでした(職人さん談)。
料理が提供された時に素材や器に目が奪われると思いますが、実はさり気ないところに職人の作品が隠れています。
和歌山のものが和歌山で使われています。
良かったら一度足を運んでご覧下さい<(_ _)>。
《食堂ことぶき》
住所:和歌山県和歌山市畑屋敷葛屋丁22
電話:073-422-0559
営業時間
月〜水曜日:10:30〜16:30 (L.O. 15:30)
金〜日曜日:10:30〜22:30 (L.O. 21:30)
祝祭日:10:30〜21:30 (L.O. 20:30)
※木曜日定休
薄板職人さんの何がすごいか?というと、松はヤニの多い植物なのでその部分を避けて材を切り出し、松脂が出ないように薄くカンナがけするのも凄いし、木目を考えてカンナがけするのも凄いし、その日の湿度に合わせて乾燥具合を調節する技術も凄いのですが、それよりももっと驚いたことは、何十年も前から使い続けている古い古い機械が今はしょっちゅう故障(職人さん曰く「言うことを聞かなくなる」)しており、もはや現在交換するような部品は販売していないにも関わらず知恵と工夫で乗り切り、一つ一つ同じ品質(見た目は当然違う)の作品を作り出せる、ということです。
本当にすごいと思います。