古道を片道2時間半てくてく歩いて山越えして、お隣の山奥の集落の正月飾りを調査してきました~。
今の時期だけの飾り付けから地域性を掘り起こします。
写真を撮らせて頂いたこちらでは、玄関飾りに、サカキ+松+ツツジの枝で作った餅ならし+しめ縄、そして下部に和紙で包んだお供え物セット(小餅2つ+小ミカン+葉付き柑子“コウジ”+串柿)を飾るそうです。今は写真で見ると上に乗っかりそうにない柑橘2種ですが、かつては小餅ももっと大きくて、ミカンと柑子の両方を上に乗せることが出来たらしい。
さらに、床の間を見せて頂いたら興味深いものを発見!
三宝の上にワンカップ清酒がありますが、本番ではその横(写真の青い部分)に現金を封筒に入れて飾るようです。現金を飾る風習は初めて聞きましたが、こちらではずっと行われているようです。
お話を伺わせていただいた88歳のおばあちゃんにお正月の一番の楽しみは何でしたか?と聞いたら、
「正月3が日だけは、白飯と白餅が食べられた。それが一番のご馳走だったよ」とのこと。
この地域では山の中の急な斜面に家も畑もあり、お米はほとんど作れずいつも麦飯ばかり、餅もキビ餅・アワ餅のような雑穀餅やヨモギ餅のようなかさ増ししたお餅(方言では「ヤクザな餅」)ばかりで、白いご飯、白いお餅が大変貴重で正月しか食べる機会がなかったようです。
他にも、正月過ぎて7日まで包丁を使うことを禁止されていたそうで、調理が大変だったみたい。昔はどこでも大家族ということもあり、日持ちするおせち料理(といっても山の中の集落なので地味です)をたーーくさん作って、大晦日のうちに下準備しておいたそう。
今と昔を感じつつ、他のお宅も聞き取りさせてもらって、また2時間歩いて帰宅しました。
#お正月 #正月飾り #風習 #縁起物 #地域性 #地域おこし協力隊
※集落内でも家庭によって飾りつけが異なります。