某県(和歌山県外)の某学校の先生方からの打診により、学校での授業で使うから手に入れて欲しいと相談があったので、有害駆除されたアナグマ2匹を調達して提供しました。
先生達自身に駆除された現場(農作物被害にあっている現場)にお越しいただいて、その現状を実際の目で見て、農家さんから直接話を聞いて農業の大変さ、野生動物との付き合い方などを学んで頂き、それを写真や口頭で現場に来れない子供達に教えて頂いた上で、子供達と一緒に解体して、生態学や解剖学的な部分の勉強だけでなく、ジビエとしては捨てられている皮を使った皮なめしの勉強、骨格標本作りなどを複合的に教えて頂けるそうです。
普通は学校(しかも都市部の学校)でこのようなことをしようとしたら、周辺から大いに叩かれることは明白で、それを敢えて実施して、教育の中に取り込んで学ぶ機会を提供されるのはすごいと思います。非常に熱意のある先生方だったのでご協力させて頂きました。
個人的な想いかもしれませんが、山の中の限界集落に住んで、クマが実際に出るような場所で植物調査や植物採集を行っていて、死が身近に感じられる状態に居て考えること。
・(生態系の保全活動をした上で)畑を荒らす有害動物の駆除は必要
・したくて駆除をしている人はいない
・川上で山を守る住民がいるから川下の町の住民の暮らしや農業が守られている(すなわち野生動物が町まで降りていくのを防いでいる)
・駆除された個体の有効活用。皮なめし、骨格標本、食肉化、命の授業で使用など(一般的にはただの生ゴミ扱いされている)をもっと行って欲しい。
・ジビエは何もイノシシやシカだけではない。日本は主にこれらを「ジビエ」と呼んでおり、小動物は範疇に入れられていないのにも疑問。
これらを一般の人が学ぶ機会をぜひもっと増やして欲しいと思う。