現在、根来塗の職人と一緒に、漆自体にもっと気軽に関われる体験プログラムを開発しています。
これまでの漆塗りの体験といえば、最後の仕上げの部分をちょっと行うだけの物足りない体験か、(漆は乾くのに数週間かかるので)何回も何ヵ月も通わないといけないハードルの高い体験ばかりでした。
それでは漆の持つ魅力や漆塗り職人の技を知ってもらうには不十分な気がするので、本物の漆のみを使いつつ、職人が教えてくれて、しかも1日で完結する、興味を持ってくれた方が気軽に本物を感じられる体験プログラムを考えています。
まずは気軽に漆を知ってもらい、職人を知ってもらって興味を持ってもらって、本来伝えたい伝統産業の根来塗を知ってもらおうと思っています。
今日の写真はそんな開発中のヒトコマ。
職人は慣れたもので、私と話ながら手を動かしています。
一連の作業が流れるように進んでいき、
職人とあーだこーだ話をして打合せの方に力が入ったり、
職人の華麗な漆さばきを「あ~、こんな風に変化するんだ」と眺めていると
気付けば作業(参加者に体験してもらうかもしれないプロセス)が終わっていました! あっ、Σ( ̄□ ̄;)
・参加者でも体験できるか? どこまで体験させられるか?
・どうしてそのプロセスが必要なのか?
・参加者に分かりやすく説明するにはどうしたら良いか?
などを作業ごとに職人と打合せして私がコンテンツ考えないといけないのですが、
まだまだ全然「漆器づくり、漆づかい」を見慣れていないので、つい手元に見入ってしまう・・・。
他の塗料とは全く異なる漆の変化を見れるのは面白いですねぇ。
#根来塗を残す #根来塗を伝える #漆器という日本文化 #文化をお金に変える
------根来塗 解説-------------
根来塗とは
根来塗(ねごろぬり)とは、塗装技法の一種で、黒漆による下塗りに朱漆塗りを施す漆器です。名称は和歌山県の根来寺に由来しています。根来寺(根來寺)は高野山の金剛峯寺座主でもあった覚鑁(かくばん)上人によって開創された新義真言宗の総本山です。
根来塗の歴史
鎌倉時代、高野山における対立により紀伊国根来寺(和歌山県岩出市)に本拠を移した新義真言宗の僧徒が、最盛期には二千余院を擁する大寺院として山内で使用するために製作した漆器が始まりとされています。特に朱漆器が「根来塗」と呼ばれるようになったとされています。
輪島塗、会津漆器、紀州漆器と日本三大産地の起源はいずれも根来塗と考えられ、豊臣秀吉の紀州征伐で職人達が根来から全国へ移り住み、それぞれの地で漆器文化を開花させました。
根来塗の特徴
木地は堅牢で長年の用に耐え、幾重にも塗り重ねて仕上げられた漆は使うほどにツヤを増していき、長年の擦れ摩擦による朱の上塗りに浮かぶ中塗りの黒が味わい深い趣を出現させる。