いなか伝承社(地域活性化支援)のブログ

和歌山県内各所の農山漁村のファンを作り、土地も含めた「慣習や風俗、信仰、伝説、技術や知識」の次世代への伝承を目的とする団体のブログです。  https://tsuku2.jp/inakadss 

【日本猫という宝】

当団体は地域資源の掘り起こしから行っている団体ですが、今日は猫の日ということで、猫にまつわる世界的な目線での地域資源の話を。

皆さんの身近なところに尻尾が短い日本猫あるいは尻尾の折れ曲がっている日本猫はいませんか?
それはとても貴重な種類の猫かもしれません。
日本猫と呼べる猫は、現在絶滅しかかっているからです。

 

かつて日本猫は、愛玩動物や鼠害防止の益獣として庶民から大切に飼われて来ましたが、第二次世界大戦が終結した頃から進駐軍など外国人の手によって外来種が日本国内に大量に持ち込まれるようになり、特に爆発的なシャム猫の流行期を過ぎてからは、外来種との混血が急速に進み、20世紀も後半を迎えた頃には絶滅寸前と言われるまでの状況になってしまいました。
 これまで日本の猫はネズミを捕るために放し飼いにされていたため、外来種に対してもそのような飼い方がされてしまい、猫の高い繁殖力と相まって外来種と日本猫との混血が急速にすすんでいったようです。

現在でもそうですが、身近なものに対してはその価値や存在が気づかれにくく、当時も日本猫は「野良猫」として生活の中で位置づけられていたために、外来の品種は珍重されましたが、日本猫はそもそも品種として認識されていませんでした。
絶滅の危機を迎えてから「日本猫保存会」が立ち上がり、保存活動が行われているようです。

それは、文献に現れているだけでも1000年以上前から愛されてきた日本猫は近代になってから「保存」しなければならないほど数が少なくなっているということです。

外来の品種を可愛がるのも良いですが、もうちょっと国産の猫の存在も大切にしていきませんか?
彼らもまた、ずっと一緒に暮らしてきた友であり日本の宝です。

 

――――――――日本猫の代表的な6種類―――――――――

1.白猫
色は真っ白で、青い目や左右の目の色が異なるオッドアイの場合があります。

2.黒猫
真黒の猫です。黒猫でも脇の下などに白い毛が混じっていることが多いですが、全身が真っ黒の猫はカラスネコと呼ばれています。

3.サビ猫
茶色と黒が混ざった色の猫です。
突然変異種であり、遺伝子の関係でサビ猫のほぼ全てはメスです。べっこう飴のような色が美しく、近くで見れば見るほど美しいと言われる猫です。

4.トラネコ
縞系の模様の猫です。
模様によって呼び名が「キジトラ」「サバトラ」と細かく分かれていますが、大きくはトラネコと分類される種類です。

5.ブチネコ
白地に黒、白地に茶の2色の猫です。
お腹と足の部分が白い毛の猫が多く、胴体の模様はさまざまなパターンがある猫です。

6.三毛猫
白、茶、黒の三色が混ざった猫です。お腹が白く、胴体の模様はブチネコ同様にさまざまなパターンがあり個性豊かな猫です。
この三毛猫も大半が雌です。

※写真の猫は活動を共にして頂いている農家さんのところのネコ社長で、いつも遊んでいるので載せただけです。品種としての日本猫かどうかは分かりません。

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