いなか伝承社(地域活性化支援)のブログ

和歌山県内各所の農山漁村のファンを作り、土地も含めた「慣習や風俗、信仰、伝説、技術や知識」の次世代への伝承を目的とする団体のブログです。  https://tsuku2.jp/inakadss 

【漆の産地、塗りの産地を見学して】

今回、岩手県の漆の産地、塗りの産地を見学させていただきました。
そこで分かったこと


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・今も産地として残っているところは何十年も前から残すために動いている。
・後継者を育てるシステムが確立されており、
・実際に若い後継者が居る
・もはや職人も製作するだけではなく販売まで行う時代
・行政が先行して人材育成や工房の設置、研修所やウルシ栽培林などにお金をかけつづけている。
・「生涯学習としての漆塗り」ではなく、「産業としての漆塗り」を残そうと行政自ら動いている
・若い世代が新しいことにもチャレンジしている
・若い世代が組んでチームワークになってカバーしあっている
・それでも職人としてメシを食っていくのは大変

漆の産業を残すためには、常に、100年先のことまで考えて仕掛けないと生き残れない。

私が死んで、今の根来塗の職人が居なくなっても、回るような仕掛けを考えないと。

そのためには今の岩出市の伝統産業としての根来塗が置かれた状況は、ほぼゼロに近い状態からのスタート。
超長い道になりそうです。
ただ、長い道だからとゆっくりしていては日々に流されて終わるので、
出来るだけたくさんの人を巻き込んでスピードアップを目指さねば。

#根来塗を残す #根来塗を伝える #漆器という日本文化 #文化をお金に変える

------根来塗 解説-------------

根来塗とは
根来塗(ねごろぬり)とは、塗装技法の一種で、黒漆による下塗りに朱漆塗りを施す漆器です。名称は和歌山県根来寺に由来しています。根来寺(根來寺)は高野山金剛峯寺座主でもあった覚鑁(かくばん)上人によって開創された新義真言宗の総本山です。

根来塗の歴史
鎌倉時代高野山における対立により紀伊国根来寺和歌山県岩出市)に本拠を移した新義真言宗の僧徒が、最盛期には二千余院を擁する大寺院として山内で使用するために製作した漆器が始まりとされています。特に朱漆器が「根来塗」と呼ばれるようになったとされています。
輪島塗、会津漆器紀州漆器と日本三大産地の起源はいずれも根来塗と考えられ、豊臣秀吉紀州征伐で職人達が根来から全国へ移り住み、それぞれの地で漆器文化を開花させました。

根来塗の特徴
木地は堅牢で長年の用に耐え、幾重にも塗り重ねて仕上げられた漆は使うほどにツヤを増していき、長年の擦れ摩擦による朱の上塗りに浮かぶ中塗りの黒が味わい深い趣を出現させる。