いなか伝承社(地域活性化支援)のブログ

和歌山県内各所の農山漁村のファンを作り、土地も含めた「慣習や風俗、信仰、伝説、技術や知識」の次世代への伝承を目的とする団体のブログです。  https://tsuku2.jp/inakadss 

【今年の活動について。長文です】

皆様、新年明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。


代表田中の主宰する「いなか伝承社」は今年で10年目の節目を迎えます。
いなか伝承社としての役目は、「地域の多様性の下に、過去と未来を繋げる」ことを目的に今年も現場の調査に基づいて足もとに眠る地域資源の活用を実践・提案して、持続可能な農山漁村作りのお手伝いに精進致します。
本気で地域を残そうと考えている皆様と連携できればと思います。

 

また、それとは別に新しい団体を作ります。
いなか伝承社の自主事業として、かつての日本で利用されてきた日本の薬草やジビエに含まれない有害鳥獣の活用、昆虫食の啓蒙などを2013年からゆるく行ってきました。

ただ、それらのうち薬草についてもジビエに含まれない有害鳥獣の活用についても、法律の壁があり気軽に皆様に提供できる状態ではありません。


一方、ルールの無かった昆虫食を取り巻く環境は、ここ数年で非常に早い変化が起こっています。
それは、私達の社会の中でのゴミ処理問題やタンパク質不足問題などを解決する手段として検討され、世界中の様々な企業が取り組み、技術化されてきています。
そんな速い潮流の中で、新しい技術と共にルールが制定されつつあります。
それは国が昆虫をグローバルな食材と認める上で避けては通れないハードルではありますが、ルール化が過ぎると単一化し、本来有していた多様性が失われます。

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今メディアで皆さんが目にしている「昆虫食」と言われるものは、
・まだまだゲテモノ扱いのイベント(リアル&YouTuber等)
・対する、未来食としての昆虫食の加工食品(コオロギスナック等)
・昆虫食自販機(売れているのはサソリやタランチュラ)
といったコンテンツばかり。

日本の薬草と共に100種類以上の昆虫が当時医者も現在のような市販薬の無い時代に薬用として活用されていた歴史は?
本来日本の縄文時代から行われてきた米作と共に食べていたイナゴは? 
絹糸作りのための製糸産業から副産物として食べられていたカイコは? 軒下の巣ではなく、わざわざ土を掘ってまで追いかけて食べていた美味しい在来のハチノコは? 
冬場雪に閉ざされる山村の貴重なタンパク源として、その捕獲のために独自に川の漁撈道具を進化させてまで採って来た川の中の水生昆虫達は?

 

これらは「未来食」としての昆虫食の影に隠れてほとんど注目されていませんが、立派な日本の文化であり、実際に全て自分で現地で見て聞いて実践して、味も美味しいことを確認しました。
「未来食」としての昆虫食は国が音頭をとってビジネス化を進めているので今はほっておいても進展します。
一方、文化としての昆虫食は、このままでは鯨食文化と同じように過去の遺物になってしまいます。
昆虫食=コオロギ●●(加工品) というイメージになってしまいかねません。
あくまで個人的な考えですが、未来は過去の歴史の上に成り立っていると考えており、「文化」と「技術」はそれぞれが独立しているものではなく、両者共に前に進んでいくべきものだと考えています。文化が失われてからは遅いのです。

 

そんな多様性の無い日本になって欲しくないので、昆虫食の日本の文化を残し発展させるべく、当団体では、新たに昆虫食専門の啓蒙団体を今年春を目処に作ります。
いなか伝承社だけでなく、想いに賛同して頂ける方々と一緒に、『昆虫食と人との間に新たな関係性』を生み出します!
そしてそれを昆虫食の啓蒙、日本の食文化の維持・発展のみならず、農山村の地域活性化にも繋げていきます。

地域おこしまで繋げていけるのが当団体の強みでもあります。
どう動けば良いか道筋はある程度は見えていて、後は賛同者を増やして仲間と連携して見えるカタチにしていくのみ。

 

めっちゃ長文で恐縮ですが、興味ありそうな方居られたらシェアやご紹介頂けると幸いです。
宜しくお願い致します。

 

#昆虫食 #いなか伝承社 #地域資源 #地域活性化 #文化としての昆虫食 #SDGs #持続可能な農山村