著書を読んで分かった、和歌山の古座川にいた、スゴイ人。
魚谷常吉(うおや つねきち、1894年8月14日- 1964年4月14日)
日本の臨済宗の僧、料理研究家。兵庫県神戸の実家の料亭「西魚善」を継ぐ。1937年出家し、1941年和歌山県古座川町の宝光寺住職となる。
先に魚谷氏の著書を列記します。
――著書リスト――
『四季酒の肴』斗南書院, 1935
『滋味風土記』秋豊園出版部, 1935
『茶料理』河原書店, 1935
『魚料理』秋豊園出版部, 1936
『きのこ料理』秋豊園出版部, 1936
『精進料理』秋豊園出版部, 1936
『僧房の料理』河原書店, 1936
『長寿料理』秋豊園出版部, 1936
『茶懐石』河原書店, 1936
『味覚法楽』秋豊園出版部, 1936 中公文庫、平野雅章編、1991
『料理読本』平野書房, 1936
『野鳥料理』秋豊園出版部, 1936
『郷土風味』秋豊園出版部, 1937
『珍味百選』秋豊園出版部, 1937
【『滋味風土記』執筆の由来】
“ 昔の人がよく言葉は国の手形なりとか申しましたが、滋味もまた、国々によって、いろいろ変わったものがあり、物によっては、その土地にしか産しないものさえあるので、これを土地の人は、多年の経験から、特殊な料理法をし、よくその持ち味を活かしているので、田舎料理と一口に切り捨て去ることはできない。
地方料理の中にも、なるほどと感心される物が多々ある。そこで私は、自分が味わって、これは滋味だ、美味だ、あるいは珍味だと思ったものを集め、この神様からの賜りものを分かちたいと考え、筆をとったのである。”
上記の著書群は単なるレシピ本ではない。
作り方以外に、食材や料理そのものに対する自身の考えも述べられており、日本各地の料理も取り上げているので当時の各地の食文化・食の民俗もわかる。
全著の多くは魚系と精進料理、郷土料理が占めているが、その中には雀、フナ、ナマズ、内臓、魚卵、タンポポ、ウサギなどの料理も紹介されており、今よりも多様な食文化があったことが伺える。(大陸の話で犬肉や猫肉の話も)
魚谷氏はその料理自体を武者小路千家家元、裏千家家元、北大路魯山人など錚々たるメンバーに評価され、料理人としての腕は超一流であり、茶道(懐石)にも詳しく、神戸育ちということで教養も備わっていたにもかかわらず、紀州の山奥で20年以上もこもっていた。
そしてその間の古座川での活動はほとんど知られていない。
魚谷氏は単なるコメンテーターではなく、その道に通ずる本物の美食家でもあり、和歌山の偉人の一人になる可能性があり、未だ知られていない古座川町在住時にどんな活動があったのかを是非調べてみて欲しい。
私は普段から民俗調査をしているし、距離が近かったら自分で調べたいくらい。
古座川の地元メディアである紀伊民報に直接の知り合いはいないのですが、気になる人物なので、誰か動いてくれる人いないかなぁ。
#料理人 #古座川町 #偉人 #精進料理 #懐石料理 #和食 #郷土料理 #民俗